HER SPACE HOLIDAY
Q01
完全なディスコグラフィーを知りたいのですが。『the young machines』は3枚目なんですか、それとも4枚目?
「完全なディスコグラフィーは以下のとおり。

1. Audio Astronomy (1996, re-released in 2002) Tiger Style
2. The Astronauts are Sleeping Volume 1 (1997) Skylab Operations
3. The Astronauts are Sleeping Volume 2 (1997) NoKarma
4. Home is Where You Hang Yourself (2000) Tiger Style / Wichita
5. Manic Expressive (2001) Tiger Style / Wichita
6. The Young Machines (2003) Mush / Wichita

何通りかの見方があると思う。プレスに関する限り、『the young machines』はハー・スペース・ホリデイの3枚目のフルアルバムということもできる。これがちゃんと流通された3枚目の作品だからね。他のはメールオーダーのみだったんだ。でも、もし全てを含めたいのなら、『the young machines』は5枚目のフルアルバムになるね(『The Astronauts are Sleeping』の1と2は2枚組アルバムなんだ。それぞれ別のレーベルから出てるけど、それでも基本的に1つの作品なんだ)」
Q02
サンフランシスコからオースティンに引っ越したと聞きましたが本当ですか? どうして移ったんですか? 今の場所はどうですか?
「うん、サンフランシスコからオースティンに引っ越したよ。テキサスにきて約1年になるね。ここに来たのは家賃がすごく安いし、オースティン出身のアメリカン・アナログ・セットとは親友だしね。いいペース・チェンジになったよ。オースティンにずっと居続けるかはわからないけど、今のところ最高だよ」
Q03
前作『manic expressive』はあなたのキャリアの中でもエポックメイキングな作品だったと思います。アートワークはレディオヘッドの『Kid A』を手掛けたShynolaによるものでしたよね。今作は誰の手によるものなんですか?
「『manic expressive』のアートワークはShynolaの素晴らしいデザイナー達によるものだよ。『the young machines』のアートワークは友達のHanni El Khatibが作ってくれた。ハー・スペース・ホリデイのアート以外には、ライヴバンドもやってるよ」
Q04
現在、Mushに所属してるわけですが、長年在籍したTigerstyleを離れ、Mushと契約したいきさつを教えてください。
「Tigerstyleを離れるのは僕にとってすごく辛い決断だった。彼らとは長年友達だったからね。でも残念なことに、彼らは『the young machines』にあまり興奮してないようだったんだ。ちょうど同じ頃、Mushとアナログ盤のリリースについて話してたんだ。Tigerstyleがハー・スペース・ホリデイの新しいサウンドにあまり興味を示してないってことを彼らに説明すると、Mushはすぐにオファーしてくれた。そして僕はそれを受け入れたんだ。その変化は素晴らしいものだった。Mushはパートナーとしてとてもよくしてくれているよ」
Q05
MushやAnticon、Galapagos 4あたりのヒップホップについてはどう思っていますか? こういったサウンドを取り入れるようになったきっかけは?
「この3年間、MushやAnticonの大ファンだった。ベッドルームでエクスペリメンタルなヒップホップを作っている子達のシーンがあるっていうのを発見したのは、すごくエキサイティングだったね。ビートの作り方や総合的なソングライティングには確実に影響を受けてるね。cLOUDDEADやAesop Rockとかのアーティストを聴くことによって、ソングライティングのプロセスをもっとルーズにするやり方を学んだよ」
Q06
今作を作るにあたってなにかヴィジョンとかコンセプトはありましたか? それはどんなものでしたか? また、それはどのくらい達成できたと思っていますか?
「『the young machines』に関しては、これまでのレコードより、サウンドや歌詞において、もっと広がりのあるレコードにしたいと思ってた。この数年間のコンスタントなツアーによって、世界にはこれまでに僕が影響されてきたものより、もっといろんなものがあるんってことが分かった。目標は完全には達成されてないけど、これまでよりはずっと近づいたと思う」
Q07
レコーディングはどのように行われたんですか? スタジオでどのように音楽を作っているのか、そのプロセスが知りたいのですが。
「これまでは、まずギターに乗せてメロディーを作ることに集中してた。その後、曲の構成について幅広い考え方をするようになってからは、ギター・ラインに合うようにビートを組み立てるようになった。『the young machines』に関しては、新しいアプローチをしてみた。まずループとシンセのラインを組み立てて、それからビートを付け加えた。基本的には、全てのトラックはラフ・スケッチとして作られて、それから最後にメロディーとヴォーカルが加えられたんだ。各曲は、ほとんどリミックスのように作られてる。すごくルーズで、構築されていない」
Q08
前作『manic expressive』はあなたのキャリアの中でも非常にエポックメイキングな作品だったと思います。あの頃からエレクトロニカやオーケストレーションを大胆に取り入れましたよね。きっかけはなにかあったのですか?
「“ストリング”のプロダクションに関しては、バート・バカラックの、ポップなメロディーとストリングのアレンジとのコンビネーションに大きな影響を受けてると思う。その当時としては、クラシックとコンテンポラリーの完璧な融合だったんじゃないかな」
Q09
あなたは以前、Indian SummerやCalm、Mohinderといったハードコアやエモ系のバンドにいましたよね。そういったスタイルを止めて、1人でドリーミーな音楽を作り始めたきっかけは?
「音楽の趣味がハードコアからインディー・ポップに広がってから、もっとメロウな音楽をやるようになったんだ。Palace BrothersやSeam、Bedheadといったバンドが、いろんなインディー・サウンドを紹介してくれたんだ。少し歳をとったせいもあると思うけどね」
Q10
バックインレイに書かれているRena Bianchiとは誰ですか? 最近亡くなられたご家族の方とか? このアルバムは彼女に捧げられているんですか?
「彼女は僕のおばあちゃんだよ。去年、心不全で死んでしまったんだ。彼女は家族の中で1番近い存在だったから、この作品は彼女に捧げようと決めたんだ」
Q11
ガールフレンドKeelyの存在はあなたにとってどのような意味を持っていますか?
「Keelyは僕の過去のすごく大きな部分を占めてた。個人的にも音楽的にもね。でも今は僕の人生のそのパートは終わって、第2章が始まってるんだ。彼女に焦点があたることはもうないよ」
Q12
『the young machines』の歌詞は、これまで以上に陰鬱な印象があります。どうしてこのようなムードを持つようになったのでしょうか? いろいろ大変なことがあったのでしょうか? やはりKeelyとの別れや、Renaとの死別は大きな痛手だったのでしょうか?
「『the young machines』は全体的に、まさしく辛い年の産物なんだ。別れや、祖母の死や、テキサスへの引越しなどたくさんの変化があった。だからといって気のめいるようなレコードじゃない。むしろ悲しみにさよならしてるんだ」
Q13
僕もAmerican Analog Setは大好きです。彼らのことはどう思ってますか? あとオースティンのインディー・ミュージック・シーンはどうですか? サウス・バイ・サウスウエストには参加しますか? 参加するとしたら、どのハコでやる予定ですか?
「American Analog Setは実際、僕がオースティンに引っ越した主な理由なんだ。僕達は一緒にたくさんツアーをして、やがて本当に良い友達になった。大好きなバンドの1つだよ。オースティンのミュージック・シーンはとても活発だよ。でも主にロックンロールだけどね。Mushは今年ParishでSXSWのショウケースをやりたがってる。Parishはお気に入りのハコの1つなんだ。前はMercuryって呼ばれたんだけど」
Q14
日本のアーティストは聴きますか? コーネリアスとかはどうですか?
「残念ながら、そんなに多くは聴いてないんだ。でもコーネリアスは大好きだよ。彼は、間違いなくお気に入りのプロデューサー/ミュージシャンの1人だよ。『ファンタズマ』は僕のオールタイム・フェイヴァリットのトップ5に入るね! あとShingoとJoseph Nothingも大好きだよ」
Q15
あなたの普段の生活を教えてください。
「僕の生活はとてもシンプルだよ。朝7時に起きて、コーヒーを飲んで、e-mailをチェックして、レーベルに電話して、夕食の時間まで音楽を作るんだ。その後は、他のみんなと同じように夜を過ごすよ。クラブに出かけたり、絵を描いたり、読書をしたり、大好きなことをいろいろとね」
Q16
お気に入りのアルバムを教えてください。
「Radiohead『OK Computer』、Bjork『Vespertine』、Aesop Rock『Labor Days』、Atmosphere『god loves ugly』なんかだね。今聴いてるものでいうと、DJ Nobodyのレコードは素晴らしいね。Prefuse 73の新しいやつや、Hayme's Basementのニュー・アルバムも素晴らしい」
Q17
あなたのゴールは?
「僕のゴールは基本的にはできる限りの音楽、文章、絵を作ることだよ。それだけが唯一幸せな時間なんだ」

協力:and records