Archive for 9月, 2006

03. Bitstream of Avant 1. IMPORTANT RECORDS

火曜日, 9月 26th, 2006

 こんにちは、藪崎です。せっかくコラムの場があるので、この場を借りて、自分が毎日warszawaで働いていく中で、おもしろいなあと思うレーベルやアーティストのことなどを書いてみようと思い立ち、つらつらと書き始めてみます。……というなんともザックリしすぎの感もある切り口ですが、これからきっと方針も固まっていくことでしょう。みなさん、おつき合いいただけたら幸いです。

 では、まず今回は、先週からちょうどレーベルサンプラープレゼントのキャンペーンをやっているので、この機に乗じて、Important Recordsレーベルについて。



 アヴァン/ノイズ/エクスペリメンタル系シーンにおいて、今や名実ともに“インポータント”なレーベルへと成長した、米マサチューセッツを拠点とする最重要レーベル。「そこに目をつけるかぁ〜っ!」というシブいながらも新しめのアーティストのピックアップぶりなどを見るにつけ、かなりいいツボを押さえていて血涌き肉踊り胸踊る、すんばらし〜〜レーベルなのです。

 また、MERZBOWアシッド・マザー・テンプル灰野敬二KK NULL (Zeni-Geva) など、日本のレジェンダリーなアーティストへのリスペクトが高いのも特徴と言えましょう。MERZBOWは、MerzbirdやMerzbuddha、Merzbutaに最新作ではMinazo(アザラシのみなぞうくんのことです)と、動物(?)シリーズが続いていて、毎回その針がビンビンに振り切ったアートワークも必見の、素晴らしい活動を展開しています。
Merzbow / Merzbird / Important Records

Merzbow

“Merzbird”
Merzbow / Merzbuddha / Important Records

Merzbow

“Merzbuddha”
Merzbow / Merzbuta / Important Records

Merzbow

“Merzbuta”
Merzbow / Minazo Vol 1 / Important Records

Merzbow

“Minazo Vol 1″
Merzbow / Minazo Vol 2 / Important Records

Merzbow

“Minazo Vol 2″
 それから、最近の傾向をザックリ見て言えるのは、Importantレーベルならではの有り得ない&有り難いコラボ作の傑作が目白押し、ということでしょう。例えば、インプロシーンで頭角を現わす若手ドラマー・Chris Corsanoと、フリー系サックス奏者の巨人・Paul Flahertyのデュオの演奏に衝撃を受けたBurning Star Coreのヴォーカル/バイオリンのC. Spencer Yehが、二人とのコラボレートを望んで実現したトリオ、FLAHERTY/CORSANO/YEHの”A Rock In The Snow”(IMPREC095)は驚愕のアヴァン・フリー・カオティック・ジャズを展開する名盤。

 また、Bardo PondのGibbons兄弟によるAlasehirAlumbradosなる2つのニュー・プロジェクトが怒濤の連続リリースをしたのも記憶に新しい(IMPREC101&102)。Bardo Pondというと超ヘヴィ・フリーサイケロック・ドローン(ウルトラカッコいいですよ!)が身上でありますが、この2つのニュープロジェクトでは、ギター・ドローンを中軸にすえつつ、ラーガ/マントラ的要素や、より普遍的なグルーヴやリフが強いロック要素を織り交ぜており、それは確かに新たな試みなんだということが分かるのです。さらにGibbons兄弟は、Importantレーベルからではないですが、9月に出たばかりの最新作(AlasehirとAlumbrados出してから1か月も経ってませんよ!!)ではVapour Theoriesといううユニット名で、今度はアコースティック・ギターとパーカッションを全面に打ち出しています。こんなに多作で傑作続きというのは戦慄です。

 それから、コラボもののすごいメンツといえば、Mudsuckersです。これは、CharalambidesTom CarterとRobert Hortonという以前もあった顔合わせに、なんと、ノイズ界最注目のパワフル・ハーシュのフリーク・ノイズ・デュオ、Yellow Swansが加わってコラボレーションしているのです! ハラランビデス・ミーツ・ノイズって!?これは、まずは聴かないと始まらないという気になってしまう、心憎い組み合わせです。

 それ以外にも、5 Rue Christineからの新作も絶好調のXiu Xiuと、イタリアのエクスペリメンタル・バンドLarsenのコラボ、XXLという珍しいものものあるし、Thutston Moore, Lee Ranaldoに、WilcoのNels Cline 、そしてCarlos Giffoniの4人によるFour Guitars名義のセッション作もあったり、探し出したら本当にキリがないです。

 レーベル一覧で作品リストのアーティスト名を見ても、いまいち知ってる名前がないわ〜、と思ってしまっていた人ももしかしたらいるかもしれませんが、このように、いろんなビッグネームのアーティストが新たなコラボレーションにより新しい名義で作品を発表していたわけなのです。つまり、言えることは、常に新しい音楽、いまだ知られざる音楽を世に出していこうという意志を貫いている、ハードコアでとても良心的なレーベル、ということでしょう。アヴァン・ミュージック・シーンといっても、まさしくそれは混沌としていて、しかしそれは別に今に始まったことではなく、またその混沌こそが音楽を聴く/知る楽しみの大きな要因であるわけですが、そんな中でもImportantレーベルの動きを追ってみると、このシーンの、あるひとつのパースペクティヴが見えてくるのです。(次回に続く)

text by 薮崎今日子 (Kyoko Yabusaki)

Flaherty/Corsano/Yeh / A Rock In The Snow / Important Records

Flaherty/Corsano/Yeh

“A Rock In The Snow”

Alasehir / Sharing The Sacred / Important Records

Alasehir

“Sharing The Sacred”

Alumbrados / A Garden Of Vipers / Important Records

Alumbrados

“A Garden Of Vipers”

Mudsuckers / Mudsuckers / Important Records

Mudsuckers

“Mudsuckers”

10. August 2006 / staffs’ best

日曜日, 9月 10th, 2006

今月も行きます!
トップ・ページで毎週更新するようになった「アルバム・オブ・ザ・ウィーク」と「シングル・オブ・ザ・ウィーク」はいかがでしょうか?
併設のピックアップ・コーナーでもどんどん色んなアーティストやレーベルを取り上げていくので、楽しみにしていてください。

Excepter  / Alternation  / 5 Rue Christine
Excepter
『Alternation』
(5 Rue Christine)
Indian Juwelry / Invasive Exotics / Monitor
Indian Juwelry
『Invasive Exotics』
(Monitor)
Solenoid / Supernature / Orac
Solenoid
『Supernature』
(Orac)

1. Excepter / Alternation / 5 Rue Christine
2. Indian Juwelry / Invasive Exotics / Monitor
3. Solenoid / Supernature / Orac
4. Erase Errata / Nightlife / Kill Rock Star
5. Triosk / Headlight Serendade / Leaf Label
6. Thomas Mery / A Ship, Like a Gohst, Like a Cell / Dora Dorovitch
7. Outputmessage / Nebulae / Melodic
8. Carlo Fashion / Das Konservatorium Von Bari / Hausmusik

single
1. Black Dice / Monoman / DFA Records
2. Wolf Eyes / Driller/Psychogeist / Sub Pop

海外の音楽雑誌をみていて一番の楽しみは、アー写であります。あんな顔、こんな顔、怖い顔・・。今回選出した中にも面白いものがありました。No-Neck Blues Bandのお方も在籍するExcepterは音の印象で忘れていたんですが、そういえばこの人達4人組か! しかも、ファンキーな頭した黒人さんもいるじゃありませんか! 4人もいて出てくるサウンドとは違いますよねー。かっこいい。ついでに人数どうのこうのは関係ない音の人達から、Black DiceWolf Eyesのシングル。共にわりと主要だったメンバーが抜けた同士ですが、個人的には新しい路線の方が方向性が見えていて好きです。そんな3組からの影響を確実に受けていそうなIndian Jewelry。女性も在籍する3人組ですが、今の時代のいいところ取りな印象もありますが、ちょっと期待させる新人さんです。 もうかなりベテランになるSolenoidと若手のOutputmessageは共通してエレクトロが土台にあるのですが、どっちも小細工無しのストレートにビートにすきっりしますね。

(柳沢)

The Dead C / Vain, Erudite and Stupid: Selected Works 1987-2005 / Ba Da Bing!
The Dead C
『Vain, Erudite and Stupid: Selected Works 1987-2005』
(Ba Da Bing!)
Birchville Cat Motel / Curved Surface Destroyer / Last Visible Dog
Birchville Cat Motel
『Curved Surface Destroyer』
(Last Visible Dog)
William Basinski / Variations For Piano & Tape / 2062 Records
William Basinski
『Variations For Piano & Tape』
(2062 Records)

1. The Dead C / Vain, Erudite and Stupid: Selected Works 1987-2005 / Ba Da Bing!
2. Birchville Cat Motel / Curved Surface Destroyer / Last Visible Dog
3. William Basinski / Variations For Piano & Tape / 2062 Records
4. The Zoo Wheel / First Born, Grand Days / Lucky Kitchen
5. Mattia Coletti / Zeno / Wallace Records
6. Sheriff / Sail, Sail, Sail Away! / King Disk
7. Matthew Friedberger / Winter Women & Holy Ghost Language School / 859 Recordings
8. Various Artists / Springs, Re:makes and Mixes of RF / Odd Shaped Case
9. Eux Autres / Hell is Eux Autre / Grenadine
10. Like Honey / Airport / Hybris

うちの美紀(黒白にゃんこ・メス)がドアや引き出しを開けることを覚えました。
家出しないか心配です。
真希(茶トラにゃんこ・メス)の方は、この前、キャットタワーの一番上で、ひっくり返って、こちらのマジックポイントが減るようなポーズをしてしばし静止していました。
どちらもキャラが立ってきていて、素晴らしい我が家です。
さて、8月は、ニュージーランドの二大巨頭、The Dead CBirchville Cat Motelがリリースと、個人的には嬉しすぎるひと月でした。
他にも、Mattia ColettiSheriffなど、あまり聞き慣れない新興勢力レーベルから素晴らしい作品が出ました。
これからも色々追っかけていきますよ!
最後に、お知らせを。
僕が、拙い英語力と狭い見識、しかし、最大限の関心を持って取ってきた、Last Visible Dogのレーベル・オーナーChris Moonのインタビューを近日公開です!
全ドローン~アヴァン・ロック・ファン必見の内容となっておりますので、お楽しみに。

(藤井)

The Dead C / Vain, Erudite and Stupid: Selected Works 1987-2005 / Ba Da Bing!
The Dead C
『Vain, Erudite and Stupid: Selected Works 1987-2005』
(Ba Da Bing!)
Merzbow / Bloody Sea / Vivo
Merzbow
『Bloody Sea』
(Vivo)
Andersens / Gzi Gzi Gzeo / Little Pad Records
Andersens
『Gzi Gzi Gzeo』
(Little Pad Records)

1. The Dead C / Vain, Erudite and Stupid: Selected Works 1987-2005 / Ba Da Bing!
2. Merzbow / Bloody Sea / Vivo
 Merzbow / F.I.D. / Fourth Dimension
 Jamie Saft & Merzbow / Merzdub / Caminante Recordings
3. Andersens / Gzi Gzi Gzeo / Little Pad Records
4. Mattia Coletti / Zeno / Wallace Records
5. Wolf Eyes & Anthony Braxton / Black Vomit / Victo
6. Flaherty/Corsano/Yeh / A Rock In The Snow / Important Records
7. Yellow Swans + Moth Drakula / They Do Not Always Remember / Oedipus
8. Pallin / Bright Moments / Cubic Music
9. Bill Fay Group / Tomorrow Tomorrow and Tomorrow / Drag City
10. Sachiko Kanenobu / Misora / Chapter Music
-. Dream Magazine / Issue #6 / Dream Magazine

 さて、ここのところ、夕方になれば風も涼しく、夏も過ぎようとしているのでしょうか。今年は旅行も海もドライブも野外フェスも水着も花火も屋形船もバーベキューも何もしていません。というかそんなこと毎年してないんでした…(遠い目)。日焼けってイヤですよね。暑いとバテますよね。人混みっていうか人ゴミですよね。
 そんなたまった鬱憤のせいか、今月は、なんかどーなんですかね?<自分、的なかなり偏ったセレクトです。
 まずはThe Dead Cの約20年間を2枚組でコンパイルした1。Dead Cといえば、超限定ヴァイナル盤やCD-Rなども多く、限りなく私家盤に近いリリースも入れたら膨大な量で、さらに現在は入手不可能なものが多いわけで、はなからコンプリートするのは諦めている私のようなヘタレには、こういう企画はとてもとてもありがたいです。私にとってはスイート10ダイヤモンドより価値あるステキな贈り物ですよ!!!!!
 Merzbowは掟やぶりの3作同順位です。8月は毎週新作入荷という、おそるべきリリース攻勢を見せた世界の秋田昌美には本当に敬服です。アニマル・ライツのための実践を、自分の創作活動を通して運動として展開しており、そのストリクト&ストイックな姿勢に頭が下がります。
 アンデルセンズは、このアルバムで新たなフェイズへ突入しましたね。若者の、力が漲っていて大化けする瞬間が、このアルバムに閉じ込められているといっても過言ではないでしょう。先日、Little Pad Records主催の彼らのレコ発ライブを見に行ったのですが、管楽器もすべて入ったフル・メンバーでのライブということもあってか、バンド自体の懐がすごく深まっていて驚いてしまいました。
 Mattia Colettiも超期待の新人。ソリッドさと繊細さの合わせ技のギターワークとその研ぎ澄まされた音楽的センスに刮目させられ、あれよあれよと言う間にお店でライブまで企画しちゃいました。【→※詳細はこちら】ドリンクのみの入場無料なので遊びに来てください。一見の価値アリです! イベント名は”Warszawa Dream”、ってことで、番外には、敬意を表してやまない『Dream Magazine』6号を。イベント名はこの雑誌にあやかっているとかいないとか!? この雑誌、誌面は読みやすいとはいえないし、写真もデザインもキレイとはいいがたいですが、こういうD.I.Y的な、好きなものをガッツリやってる、イビツでアンバランス、だけどイキオイあって濃~い試み、というものが、自分のやりたいことの理想形です。
 あと、個人的にグググッときたのが、Bill Fay Group金延幸子の再発。Bill Fay Groupは今回のはヴァイナル盤です。CDはもっと前に出ているので、ココロにキズを負ったり何かに慰められたいと思う、そんな夜にぜひ聴いてみてください。金延『み空』は大学時代に何度聴いたか分からない永遠の名盤。むせび泣きです。

(薮崎)

Mattia Coletti / Zeno / Wallace Records
Mattia Coletti
『Zeno』
(Wallace Records)
Birchville Cat Motel / Curved Surface Destroyer / Last Visible Dog
Birchville Cat Motel
『Curved Surface Destroyer』
(Last Visible Dog)
The Zoo Wheel / First Born, Grand Days / Lucky Kitchen
The Zoo Wheel
『First Born, Grand Days』
(Lucky Kitchen)

1. Mattia Coletti / Zeno / Wallace Records
2. Birchville Cat Motel / Curved Surface Destroyer / Last Visible Dog
3. The Zoo Wheel / First Born, Grand Days / Lucky Kitchen
4. Triosk / Headlight Serendade / Leaf Label
5. Leo Abrahams / Scene Memory / Bip-Hop

こんにちは。脳が覚醒するような音楽が大好きのモンディです。
先月のお気に入りもそのようなラインアップになってしまいました。
中でもMattia Colettiはビックリ級の完成度で、かなり本能的でラフに音を発しているにも関わらず、どんな音でも見事な調和を聴かせる天才肌。それでいて、味わい深い歌ものだったりしてガンガン引き込まれます。まもなく行われるライブが楽しみ!
2と3と4と5も手法はそれぞれ違えども、聴いているといつのまにはハマッている感覚がなんとも心地よい。安易になりがちな、この手の音楽ですが、それぞれに技量、質感、強度、工夫などなど他を上回るものがあり、本物はすごいな~と実感させられる次第です。

WIMM最新情報です。まもなくMR COOPERが全世界発売されますが、日本にも輸入盤が入ってくることになりました。まだ聴いていない方や国内盤が見つからない方は是非、この機会をご利用ください!

(mondii)

Zulu & DJ C / Animal Attraction / Community Libary
Zulu & DJ C
『Animal Attraction』
(Community Libary)
DJ C / Ransom The Senator / Mashit
DJ C
『Ransom The Senator』
(Mashit)
Kid 606, Johnny P, DJ C / Seaga Face & P.J. Body / Shockout
Kid 606, Johnny P, DJ C
『Seaga Face & P.J. Body』
(Shockout)

1. Zulu & DJ C / Animal Attraction / Community Libary
2. DJ C / Ransom The Senator / Mashit
3. Kid 606, Johnny P, DJ C / Seaga Face & P.J. Body / Shockout
4. DJ C / Traced Milk / Cozy Music (download only)

 冥王星ー! このチャートを書かないでいる間、惑星がひとつ減ってしまいました。水金地火木土天海。すいきんちかもくどてんかい。何かが足りません。それは情熱、あるいは思想? そんでもって理念、頭脳、気品、優雅さ勤勉さ! しかし何よりも……「134340」ってなんですか? ちょっと前までハーデスだったじゃないですか。威厳失墜しすぎだろです。DJ Cと同じくらい名前が記号化されすぎなのです。ヤツの名はC。Cってなんだよです。しかも本名Jake Trussellじゃないですか。どこにもCが入ってないだろです。自分で運営してるレーベルであるところのMashitだってCの入る余地さえないかんじです。どこからもCを読み取れないです! てきとーにつけたっぽい名前の匂いがするです! まーいーです。音がよければそれでいいです。ダンスホールとグライムとジャングルの交差地点です。3つの要素が弧を描いて激しく入れ替わるのです。134340だって一緒に太陽の周りを回ってるのですよ。くるくる。

(西山)