Archive for 8月, 2006

9. June - July 2006 / staffs’ best

木曜日, 8月 10th, 2006

お待たせしました!
しかし!、ウェブサイトのマイナー・チェンジとともにお届けします!
仕切り直したこのチャート・コーナーだけでなく、コラムなども充実させていくので、よろしくお願いします!!

TRS-80 / Mystery Crash / One Cell
TRS-80
『Mystery Crash』
(One Cell)
Brightblack Morning Light  / Brightblack Morning Light  / Matador
Brightblack Morning Light
『Brightblack Morning Light』
(Matador)
Jazkamer / Metal Music Machine / Smalltown Superjazz
Jazkamer
『Metal Music Machine』
(Smalltown Superjazz)

1. TRS-80 / Mystery Crash / One Cell
2. Brightblack Morning Light / Brightblack Morning Light / Matador
3. Jazkamer / Metal Music Machine / Smalltown Superjazz
4. Nick Castro And The Poison Tree / Come Into Our House / Strange Attractors Audio House
5. Kaada / Music For Moviebikers / Ipecac Recording
6. Bardo Pond / Tickets Crystals / ATP Recording
7. Tim Exile / Tim Exile’s Nuisance Gabbaret Lounge / Planet Mu
8. Bodycode / The Conservation of Electric Charge / Spectral Sound
9. Peeping Tom / Peeping Tom / Ipecac Recording
10. Cursor Miner / Danceflaw / Lo Recordings
11. Leafcutter John / The Forest And The Sea / Staubgold
12. Amps For Christ / Every Eleven Seconds / 5 Rue Christine

今回もここ2ヶ月からのセレクトでごめんなさい。
わりと大味なサウンドが占めていること、夏です。
花火をどかーんと打ち上げて、男らしくいってみました。
しかし、2年連続で見る花火は眠くなることを知りました。
TRS-80が大玉を打ち上げました。どっか~ん!

(柳沢)

Shapes And Sizes  / s/t / Asthmatic Kitty
Shapes And Sizes
『s/t 』
(Asthmatic Kitty)
Yuichiro Fujimoto / The Mountain Record / Ahornfelder
Yuichiro Fujimoto
『The Mountain Record』
(Ahornfelder)
Bardo Pond / Tickets Crystals / ATP Recordings
Bardo Pond
『Tickets Crystals』
( ATP Recordings)

1. Shapes And Sizes / s/t / Asthmatic Kitty
2. Yuichiro Fujimoto / The Mountain Record / Ahornfelder
3. Bardo Pond / Tickets Crystals / ATP Recordings
4. Bill Wells & Maher Shalal Hash Baz / Osaka Bridge / Karaoke Kalk
5. Asobi Seksu / Citrus / Friendly Fire
6. MV & EE With The Bummer Road / Mother of Thousands / Time-Lag Records
7. Raccoo-oo-oon / The Cave of Spirits Forever / Time-Lag Records
8. Metallic Falcons / Desert Doughnuts / Voodoo Eros
9. Lisa Germano / In The Maybe World / Young God
10. Nick Castro And The Poison Tree / Come Into Our House / Strange Attractors Audio House

(ファースト)ガンダムがようやくDVDになるっ!!と思ってたら、レンタルはもう出てました。
当然のごとく見てます。
画面に向かって、名台詞を唱和しています。

1は、何かと(各所の)シーンを賑わしてくれるカナダ出身。このバンドも1曲の中でころころ曲調が変わるというか、やりたいことを突っ込んでいる感じで、そのどれもが良くて、驚異です。
2の藤本さんは、気付かぬうちにするりと心に侵入してくるというか、油断していると泣いてしまいそうになる。セックスやヴァイオレンスとは最も無縁の音楽だけど、性質的には最もそれらに近い。危険だ!
3は、ウォール・オブ・轟音ギターが売りかと思いきや、今回は楽曲性を重視。別動隊活動も活発になってきて、今絶好調のバンドです。
4は、何故かBelle And Sebastianの”Tigermilk”を思い起こしてしまう、おぼろげな切なさを感じました。
5は、シューゲイザー関係ではひさびさにアルバム全体で良かった。日本人がヴォーカルですが、確かにHartfieldとかCruyff In The Bedroomといった日本のシューゲイザーや、Clairecordsの一番良かったころを思い出しましたよ。
Time-Lagの2枚は、同時期リリースでMV/EEに注目が集まりがちですが、Raccoo-oo-oonの面白さはなかなかないです。こっちにも光を。
あとは、多様化するアヴァン・ロックにあって、シーンを集約しつつ、トラディショナルなまでのソング・ライティングを融合させた、素晴らしい作品たち。ここに挙げてなくても、そういった作品は、Espersにはじまり、続々出てきています。今後も傑作登場の予感がびしばしする分野です。

さあ、来月も色んな音楽の性能を見せてもらいたいものですね。

(藤井)

Charalambides / A Vintage Burden / Kranky
Charalambides
『A Vintage Burden』
(Kranky)
Tom Carter / Glyph / Digitalis
Tom Carter
『Glyph』
(Digitalis)
Keijo & Free Players / After At Once / Digitalis
Keijo & Free Players
『After At Once』
(Digitalis)

1. Charalambides / A Vintage Burden / Kranky
2. Tom Carter / Glyph / Digitalis
3. Keijo & Free Players / After At Once / Digitalis
4. Yuichiro Fujimoto / The Moutain Record / Ahomfelder
5. Juana Molina / Son / Domino
6. Alva Noto / For / Line
7. Giuseppe Ielasi / s/t / Hapna
8. Remote_ / Changes in Style / Concentrated People
9. Inch Time / As The Moon Draw Water / Static Caravan
10. Milton Nascimento / Minas / Water
1は、この数ヶ月間に何回聞いただろうか・・歌ものとしての楽曲も、川の流れのような構成も素晴らしいし、なによりも優しく糸を紡ぐようなギターは涙もの!心の底から感銘を受けました。
以下順不同で、2は、1のtom carterソロのリイシューでとても力強い内容。1を愛聴したあとに聞くとなおさら感慨深い。
3は、2と同じデジタリスのもので前作がとても良かったが、今回も気負いなく音を鳴らしていくような感覚が素敵、そしてかなりB級・・吹き荒れる風の中、ホーミーコーラス入りで、よぼよぼ歌っているラストは果たして感動するところなのだろうか?
4の藤本くんのも、テイストはだいぶ違えども同じようにスキだらけで、ただただ素朴に音を鳴らしているような感覚が妙にグッとくる。こんなアーティストが日本にいるのはとても嬉しいし、実は5のフアナとそう遠くはないフィーリングだと思う。彼が主催するpower shovel audioも注目で、店舗のほうで特設コーナーを展開してます。
6と7は、今までの作風とは微妙に違うが、それでもハイクオリティーなのに脱帽。8と9は、ズバ抜けた感触はないものの、そこが良くて仕事のBGMに最適。そして最後の10は、名盤すぎてチャートとかには相応しくないかもだけど、挙げずにはいられません!お盆に帰郷できない人は、これを聴いて遠い故郷を見つめてください。

それでワルシャワ・レーベルのwimmの最新情報です。MR COOPERのワールドワイド盤が、いよいよ9/15に全世界リリースされます。
乞うご期待!

(mondii)

Peeping Tom / Peeping Tom  / Ipecac Recording
Peeping Tom
『Peeping Tom』
(Ipecac Recording)
Jazkamer / Metal Music Machine / Smalltown Superjazz
Jazkamer
『Metal Music Machine』
(Smalltown Superjazz)
Lisa Germano / In The Maybe World / Young God
Lisa Germano
『In The Maybe World』
(Young God)

1. Peeping Tom / Peeping Tom / Ipecac Recording
2. Jazkamer / Metal Music Machine / Smalltown Superjazz
3. Lisa Germano / In The Maybe World / Young God
4. Nick Castro And The Poison Tree / Come Into Our House / Strange Attractors Audio House
5. Charalambides / A Vintage Burden / Kranky

2カ月前の記憶を絞り出すのって結構タイヘンなんですね。記憶というのは、時間の経過によってではなく、インパクトによってその鮮明度合いが変わってくるわけですから(当たり前)、このチャートは自然とインパクト重視っぽいラインナップになってしまうものでして……。そんな中でも家でじっくりしっとり泣き濡れた(?)のはこの2枚。
Charalambidesの新譜『A Vintage Burden』の音楽的成熟には本当に感動しました。何より長尺曲の中のトム・カーターのギターソロには本当に痺れました。ここ、このアルバムのまごうことなきハイライトでしょう。これをやるのがトムの目的だったのではないでしょうか。そんなことを思わせるほどに、今どきこんなギター弾く人はいないだろ!っていうくらいヤバいレイド・バックぶり。最高です。また、Lisa Germanoの『In The Maybe World』は、一聴すると「ウェルメイドな歌ものアコーティスティックの王道」という感じなのですが、耳を澄ましてよく聴くと、そこかしこに壊れた/綻びたサイケデリアの片鱗が聞こえてくるという発見があり、そこがとてもスリリングな音楽体験でした。よく見るとジャケのイラストは、鳥さんたちが死んだウサギさんを嘴でつついていてウサギさん血まみれ、という一筋縄ではいかない陰惨さが垣間見えるジャケットで、音も然り。人生、ひいては生死の、揺るがなさと露悪的な必然とどうにもならない残酷さと凛とした一筋の美しさ、などというものを感じました。ちょっと飛躍しますが、アルノー・デプレシャン監督の映画『キングス&クイーン』の感触とリンクしています。In The Maybe World、なのです、われわれすべての人間は。
Nick Castro And The Poison Treeは、新世代のフリーフォーク系サウンドは数あれど、その中でも間違いなく頭抜けた存在。前作に引き続き今回も埋没しない確固たるユニークネスが感じられる、今注目のバンドだと思います。久々に出たDream Magazineではなななんとあのマッツ・グスタフソンがインタビューしていたりしていてなにげに要チェキなのです。あーこの人たちのライブ観たいですね。誰かよびましょうよ!!
そして、1&2位のJazkamerPeeping Tomはとにかく熱い・暑い・厚いの三拍子揃った益荒男盤です。燃えます。なんてったって、Metal Music Machineですよ。ルーリードのMetal Machine Musicと聴き比べてもいいし聴き比べなくてもいいです。正直。この3つのMが揃ってるだけで777的心の大フィーバー です。Peeping Tomは、のっけからぶっ壊れたマイク・パットン将軍の、そのツヤテリハリにうっとり興奮。ダサさとアーバンさを危ういバランスで行き来すると本気でカッコよくなってしまうという好例ではないでしょうか。こういう、“ハマると偏愛”みたいな音楽に出会うと心底ワクワクしちゃいますねー。

(薮崎)

02.POST PUNK / NO WAVE 2

月曜日, 8月 7th, 2006


 でわ続きです・・・・ すすいません、なんとも言い訳しがたい状況ですが、コラム・コーナーを本格的に再開したいと思います。再開となりますと、やはり前回の続きから始めるのが筋かと思いまして、Post Punk風なネタでやってみようと思います。前回から2年ぐらい経っておりますが、丁度よくまたいい感じに整理できるかと思います。でわでわ、お付き合いよろしくです。

 たしか、GSLで終わってましたね、正式にはGold Standard Laboratoriesは、1993年にQちゃんを始めとする日本のマラソン選手が高地トレーニングの場所としてよく知れれるコロラド州のボルダーでSonny Kayによって設立されたレーベルで、その後サンディエゴを経て現在ではロス・アンジェルスに拠点を置く。言うまでもなく!!!, Outhud, The Mars Voltaなど、現在では大物バンドを多く輩出しているレーベルですが、出しては他のレーベルに持って行かれる運命にあるようです。(笑) そのThe Mars VoltaのOmar Rodoriquez-Lopezもレーベル運営に携わり、それで彼らの作品のヴァイナル盤だけは引き続きGSLからリリースされているわけ。ここ最近ではYear Futureに代表されるようなハードコア色の強いバンドやレーベルの初期から在籍するBeautiful Skinのようなストレートにバシバシ来るポストコア・バンドとニューウェーヴィー・パンクなバンドが本流で、今のところ最新作となるLA出身のトリオ、Anavanもシンセポップにやんちゃなポストパンクがミックスされたようなサウンドでちょっと面白い。それとは別路線でいきなりSubtitleのようなヒップホップも出しちゃうフットワークの軽さもウリであると同時に、若干迷惑なレーベルだ(笑)。注目はAce Fuとのダブルネーム・リリースとなっている6人組のAn Albatrossで、こいつらはかなりやばい! 関係ないけど昨日の夜、ゴルフでアルバトロスを決める夢を見ました。正に夢の話です。もとい、An Albatrossですが、セカンドアルバムとなる”Blessphemy”を通して聴いていると目まぐるしい展開で、デスメタ風高速展開にサイケ・ヘヴィー・ロックなギターが加わり、オルガン/キーボードがけたたましく炎を上げ、絶叫してるんだか、ヘロヘロなのかよく分からないヴォーカルで気付くと20曲を優に越している早業で驚かさせるのです。 GSLはどうやら過去の教訓からか、メジャー化したくてもできそうにない、くせ者か若者を中心にリリースして行く気配です??。

An Albatross / Blessphemy (Feast of the Peace Giver...) / (Ace Fu)

An Albatross

Blessphemy (Feast of the Peace Giver…)

(Ace Fu)
 Ace Fuの名前が出たのでついでにお話します。Ace Fuは1997年にそれまでAir King Allianceと言うレーベルを運営していたEric Speckによってポートランドにて設立される。最初のリリースはTedd Leoが在籍したChiselとChrissy Leoが在籍したThe Van Peltとのスプリット7インチから始まる。その後Pinbackのリリースを機に拠点をニューヨークへ移し、その後もポストコア以降にあるようなバンドをリリースして行くが、Acid Mothers Templeのリリース辺りから、なにやら不穏な動き。サイケロックや70年代的なスタイルを何となく模索しているような印象を受け、唄ものあり、ブラスバンドありで、UKのStatic Caravanからリリースするエレクトリック・フォーク、Tunngをライセンス・リリースしたりもしているのです。最近のレーベルの中心的なバンドになりつつあるフィラデルフィアで結成されニューヨークでも活動をする4人組のMan Manはシンセやトランペットも導入したブルージーでグラマラスなロックとエキゾな音色も、どことなくプログレ志向でちょっと変わってる。セカンド・アルバムとなる”Six Demon Bag”でも独特な世界観を創り出すことに成功している。これらを、ハードコア以降と感じるか否かは個人差でしょうが、なんの先入観無しで聞いてみる方が素直に楽しめるはず。いずれにしても何か変わりつつある最中にあることは確かであるレーベルなので今後の動向にも一層の注目。

Man Man / Six Demon Bag (Ace Fu)

Man Man

Six Demon Bag

(Ace Fu)
 続いてやはりポストコア以降にあるニューヨークのレーベル、Frenchkissについて。先のAce FuからもリリースするEx Modelsや新作はBirdmanから発表した宇宙ディスコ・パンク・バンドのApesなどから最近ではメロディックなハーモニーと分厚いギターがウリなThe Plastic ConstellationsやJ, Robinsのプロデュースでアルバムを発表したRahim、そして名前もサウンドも面白いThunderbirds Are Now!などAce Fuと比較しても通じてポスト・ハードコアとノー・ウェーヴに位置する作品を多くリリースしているが、姉妹レーベルのSay Heyに目を向けるとなかなか興味深いのです。Romz Japanからもリリースするお馴染みShy Childが現在在籍するレーベルとして知られるも、基本路線はサイケ・ロックの流れが強く、北欧のアヴァン・フォークの聖地、FonalからリリースするKiilaのライセンス・リリースや目下注目度上位の女性ヴォーカルによるフリーク・サイケロック、Tomorrow’s Friendや、素晴らしく甘いメロディーでサイケポップを聴かせるThe Occasionなど、本家とは全く異なる路線を追求していているので、どちらかというとそれこそFonalやアメリカではAmish Records, 5 Rue ChristineあたりやCamera Obscuraレーベルに在籍するような、詩ものフォーク/ポップ・バンドを気にしてる人ならチェックしてもらいたいレーベルです。

Tomorrow's Friend / Tomorrow's Friend (Say Hey)

Tomorrow’s Friend

Tomorrow’s Friend

(Say Hey)
 少々話が脱線してきましたが再び出たついでに、5 Rue Christineです。よく知られるようにUSインディー名門、Kill Rock Stars傘下に位置するレーベルで、KRSよりは壊れたロック、壊れたパンク、壊れた唄もの、壊れた人間を紹介してくれる素敵なレーベルが、レーベルの理念が記されていたので以下に記してみました。



1. 5RCはインスピレーションに賭けています。あなたを刺激するアイデアを投げかけます。どのように感じるかは自由です。助けたり、楽しませたりするためにいるのではありません。ただ、何らかのリアクションを求めているのです。

2. 私たちは、誰かの貧しいとこではありません。お下がりや漂流しているような輩に興味はありません。私たちは、どこかのレーベルの傘下に入っていないし、私たちが森全体なのです。あなたはすぐに分かるでしょう。

3. アイロニーは死んでいるし、役に立たない。私たちはアイロニーが好きではありません。

4. コミュニティこそが私たちにとっては重要です。私たちのレーベル、友人たち、ファンには、同じプールで泳いでいて欲しいのです。もし可能なら、大きな家に一緒に住みたいくらいです。でも、それは可能ではありません。

5. 私たちが恐れることは何もありません。音楽は素晴らしくて、この組織を繋げる鍵です。今日アルバムをリリースし、明日はタンジールに橋を寄贈しているでしょう。金曜日には私たちは海に出かけます。これでお分かりでしょう。

6. 私たちはノイズが好きです。ノイズや言葉や言葉の響きの合間の空間が好きです。ファックスの機械の音、静けさ、さざめく小川の音、車を運転する音が好きです。それが音楽というものです。

7. テーブルの上にパンがあり、車にガソリンがある限り、私たちの組織に成功はありません。それで十分です。4枚レコードを売れば私たちはあなたを胸に抱きますが、100万枚売ったら撃ち殺すでしょう。

8. 私たちが好きな人たち:Balzac, John Fante, Alexander Trocchi, ESP-Diskの全員, E.S.G., Felt, Sam Fuller, ELの全員, John Fahey, No Neck Blues Band, Gertrude Stein, cash money recordsの全て, Balthus, Thomas Wolfe, スコットランドから来たなら誰でも, medway sound全て, Leonard Cohen, Sunny Murray, The Beatles.

9. パラメーターについて語ったり、いかなる種類のイデオロギーやいかなるクリエイティヴな集団の本質を無理強いしたりするのは味気ない。あなたが経験してきた多くのことは無視されるべき。ゴーギャンは彼が50歳になるまで絵を描かなかったし、カフカは生涯作品が出版されることはなかった。

10. 「カオスは秩序とエントロピーのあらゆる原理に優先し、いわゆる神でも蛆虫でもないものであって、その白痴めいた欲望が、すべての実現可能な舞踏法、すべての無意味なエーテルと熱素とを内に包み、そして定義する。つまり、それがまとう仮面はそれ自身の匿名性が具体化したものなのであり、雲のようなものなのだ。」- ハキム・ベイ

11. Kill Rock Starsや他のいかなるものより、5RCに関わった方がよい。



 これを読む限り、5RCはKill Rock Starsとは離れて独立した位置にあるようだけど、断絶したわけではなく密な関係にあることには変わりない。5RCの名前を広く認知させたバンドとしてはDeerhoof, Hella, Xiu Xiuなどが挙げられよう。他にもファミコン・カバー・バンド、The Advantageやフリーク・フォーク界の大量生産バンド、Wooden Wand And The Vanishing Voice、そして崩壊ロック界の大御所No-Neck Blues Bandをリリースして話題になったのも記憶に新しい。このレーベルの動きを見ていると正しく時代のアメリカン・オルタナ・ロックを見ている気にさせる。理念にも記されてるように決して本流ではないが、ここから生まれる音だけをチェックしているだけで、現在のアメリカ・オルタナを分かってしまうと言っても大げさではないであろう。なによりレーベルのキャッチコピーが、”noiserevolution”っていうのが、すげーかっこいいじゃありませんか! 個人的にはKRSよりこちらの5RCが現在のアメリカ最強レーベルと思ってます。もちろんKill Rock Starsも素晴らしいレーベルで、Erase Errataの新作にはほんとにしびれましたっ! それにしてもKill Rock Starsも気付けばでかいレーベルになりましたね。

Erase Errata / Nightlife / (Kill Rock Stars)

Erase Errata

Nightlife

(Kill Rock Stars)
 さて、この後どこに話を続けていこうかともうちょい考えるので、今回はこの辺で終わります。今度は早めに再会出来ると思います。また。



(柳沢)

01.POST PUNK / NO WAVE 1

木曜日, 8月 3rd, 2006

 大変長らくお待たせ致しました。ようやくコラム・コーナーのスタートです。これからはちゃんと定期的に更新していきますので、お付き合いの程、よろしくお願い致します。

 さて、まずは何からやろうと、いろいろと悩んだりしていたわけですが、ここ最近様々な媒体でも取り上げられている、ポストパンク、ノーウェーヴ・シーンをワルシャワ的にやってみようかと思うのです。
 おそらく、このサウンドのが注目を浴びることの始まりは、The RuptureBlack Diceに代表されるDFA一連の作品が出てきた辺りからでしょう。そしてこのDFAは先に挙げたThe RuptureLCD Soundsystemを筆頭とする、ディスコ・パンク勢と、Black Diceタイプの実験的なアート・パンク、ノー・ウェーヴを主体としたサウンドに色分けが出来るでしょう。今回はその後者の方面から、幾つかのレーベルやアーティストを紹介しましょう。


 もはや説明不要のそのBlack Dice。現在ではDFA/Fat Catから2枚のアルバムをリリースしている彼等ですが、それ以前のシングルはTigerbeat 6Troubleman Unlimitedからリリースしている。


 Troubleman Unlimitedはそもそもはファンジンからスタートしたニュー・ジャージーのレーベルであり、最初はファンジンにカセットテープを付けて販売していたようで、その手作りな姿勢は、レーベル運営にも現れており、他のレーベルからしたら正気とは思えないようなマイナーなリリースをガンガンしておりながら、ここから後のビッグネームが生まれるケースも少なくない。いわば登竜門的なレーベルとも言えるかも。(エレクトロニカ系ならPhthaloレーベルみたいなもの)。で、最近のリリースの中では女の子バンドとして注目を浴びるErase Errataやファンク・インスト・パンク・バンドTussel。ゴス・パンク・バンドSubtonix。Strokesなどと同世代のニュー・ヨークのThe Walkmen。The Needs, Kicking GiantのRachelとTara Jane O’Neil等が参加するハードロック・バンドKing Cobra等が目下注目どころ。またShy Child, El GuapoのメンバーらによるABCsなどもリリースしてる。そしてWolf Eyesを忘れてはならない。


 Wolf EyesFusetronからリリースされたBlack Diceとのとコラボレーションで注目度もあがったことでしょう。Wolf EyesはNate Youngのソロ・モニカーとしてスタート。彼はこの他にNarcotic Almanicとしてエレクトロニカ・プロジェクトなどの活動もしている。その後にBest Peopleとして共に活動をするAaron Dillowayを加え、デュオとして現在に至る。彼等の楽器を通常の形で決して演奏しない、異常なサウンドはBlack Dice等より不定形なものであり、作品ごとにその形を変える。特に初期はエレクトロ崩れなサウンドであったが、最近ではアメーバ的なサウンドに化学変化してきている。Wolf Eyesはこれまでに、Hanson, Bulb, DeStijilレーベルから作品を残しているほか、多数のテープでのリリースがある。そして、最新作はThe Album Leafも獲得したSub Popからリリースを予定されている。彼等のライヴ・パフォーマンスは相当なものらしい。観たい!


『Wolf Eyes & Black Dice』<br />
Wolf Eyes & Black Dice

『Wolf Eyes & Black Dice』

Wolf Eyes & Black Dice

(Fusetron)
 このWolf EyesをリリースするHanson, Bulbを順に紹介してみよう。まずはHanson。このレーベルはWolf EyesのAaronによるレーベルで、無数のCDRリリースの他、Kevin Drummなどのノイズ・アーティストもリリースするレーベルである。ただし、最近ではレーベル運営はストップした感じで、次に紹介するBulb Recordsが流通等を手助けている模様。で、レーベルサイトに行った方なら知っているとは思うが、Puffyをこよなく愛すそのBulbLightning Boltなどで人気のLord Recordsの対抗馬的な存在で、代表的なバンドとしてForce FeildやそのForce FeildのMr. BrinmanやLightning BoltのB. ChippendaleによるMind Flyer等の電気ノイズ・バンドやSecretly Canadianからリリースするポスト・パンク・バンドOneidaのメンバーによるカントリー・ユニット、Oakley Hallのリリースが記憶に新しい。レーベルの歴史は長く、以前は7インチを中心にリリースしてきたが、そのシングルを収録したコンピ、"Bulb Singles #1", "Bulb Singles #2"を聴けば、このレーベルを理解するに易しいであろう。



『Lord of the Rings Modulator』<br />
Force Field

『Lord of the Rings Modulator』

Force Field

(Bulb)
 次にFusetronDeStijilレーベルの話。Fusetronはディストリビューションも兼ねるレーベルでwarszawa的にはとてもリンクするアイテムを揃えている。レーベル部門では、日本のアヴァン・インプロ・バンド、Dislocationやニュー・ジーランドのインプロ/アヴァン・フォーク・シーンからDoramaaや1/3 Octave Band、更に実験的なサウンドからOmitTamio Shiraish&Sean Meehan、そしてex-Black Diceのメンバーによって監修された話題のコンピレーション、"They Keep Me Smiling"にも収録されているExcepterGang Gang Danceなどの注目株をリリースしている。あと、Richard Youngsのスポークンワード作品等等を、ヴァイナルを中心にリリース。DeStijilもアヴァンギャルなものからEd Askewなどのユニークな作品を同じくヴァイナルで送り出している。



この他にもこの周辺のレーベルとして注目したいところはWhite Denim, Wabana, Weird Forest, Thin Wrist, Infrasound, Psyco-o-Path, Nihilist等が挙げられるが、そもそものポスト・パンク/ノー・ウェーヴの方向からずれだしてきてしまうので、話をもとに戻すとして、流れも汲んでのLord Recordsの出番です。


 Lord Recordsが拠点を構えるのはロード・アイランドはプロヴィデンス。ここプロヴィデンスはLightning Boltを筆頭に、ニュー・ヨーク勢やサンフランシスコ周辺の連中よりも、硬派と言えるかもしれません。ここプロヴィデンスといえば、忘れてはならないのがArab On Radar。もとはコネチカットにある会社で働く同僚で結成されたハードコア・バンドで、その後にプロヴィデンスのHerapin Recordsからのリリースされたデビュー・アルバムから始まる。ここLord Recordsからのリリースは7インチ一枚と少ないが、他にSkin GraftThree One Gからリリースもされている。彼等が後陣に残した影響は多大であることは間違いない。


 Lord Recordsの話に戻すと、Lightning Boltの他に、先にも出たForce FeildNeon Hunk等の電気ノイズ系から、Lightning Boltの対抗馬Sightings。スト−ナー・へヴィー・ロック・ラインのKhanateNoxagt。そして古くはSub PopからリリースしていたSix Finger SatelliteやAmphetamine ReptileからリリースしていたHammerheadのメンバーが在籍するVaz等のアメリカのオルタナ底辺まで抱える大御所レーベルだ。一時期異常なリリース・ペースでちょっと戸惑ったが、ここ最近は落ち着いてきた。


 Vazの名前が出たところで、次にGSLことGold Standard Laboratoriesを紹介しようと思うが、今回はこの辺で次回に続きます。



(柳沢)
『Birth of Cruel』<br />
Open City

『Birth of Cruel』

Open City

(Thin Wrist)


『Queen Hygineine 2/<br />
Rough Day At The Orifice』<br />
Arab On Radoar

『Queen Hygineine 2/

Rough Day At The Orifice』

Arab On Radoar

(Three One G)